2017年8月12日土曜日

角換わり桂跳ね急戦

24で角換わりの将棋を指しました。

勝った将棋なのですが、気になるところがいくつか残ったので、検討していこうと思います。

自分が後手番でした。

桂跳ね急戦

角換わりで今流行っているらしいのが、4五桂急戦です。


先手が▲3七桂と跳ねてきて、おそらく急戦を考えていたのだと思います。

後手番として受けるなら△4四歩と突いておいて、桂を跳ねさせないようにしておくところだったのでしょう。

ただ先手陣も5七地点が手薄なので、こちらも桂馬を跳ねて攻めあう形にしてもやれるんじゃないかと見て、△7三桂と跳ねました。

この局面で先手が単に▲4五桂と跳ねて仕掛けるとどうなるのか、調べていこうと思います。


①▲4五桂に△2二銀

▲4五桂と跳ねてくる手に対して銀を逃げるなら、△2二銀と△4四銀があります。

△2ニ銀と引く手から見ていきます。

これはのちに△4四歩と突いて、歩で桂馬を取り切ってしまおうという手になります。

▲4五桂 △2二銀以下は、▲2四歩 △同歩 ▲同飛 △4四歩と進みます。


桂馬を取り切られてしまっては、先手は悪くなってしまうので、ここでどうにか手を作っていく必要があります。

△4四歩に対しては▲5五角。


△4五歩と桂馬を取れば▲2二角成から攻め込むことができるので、この▲5五角打によって間接的に桂取りを受けていることになります。

この筋で桂取りを受けるだけなら▲6六角のほうが安定していて良さそうですが、▲6六角だと後手に△6五桂と攻めあう選択肢を与えることにもなります。

後手の桂馬の活用を押さえる意味でも、5五から打つのが良いみたいです。


角打ちに後手は△2三歩と打ちます。

飛車を引けば、次こそ△4五歩で桂馬を取り切ることができます。

そこで先手は▲3四飛とゆるまず攻めを続けます。

後手は△4五歩と、当初の狙い通り歩で桂馬を取り切ります。


先手はじっと▲4五同歩。

ここ▲4五同歩ではなく、▲2二角成 △同金 ▲3一銀という順も見えますが、△4三玉と上がる手が飛車に当たってきて、意外とうまく行きません。

そこで、じっと▲4五同歩としておきます。

この▲4五歩を指しておくことで、▲2二角成 △同金 ▲3一銀の順で△4三玉と上がられた時に、▲4四飛とさらに迫ることができます。

▲4五同歩は一見ただ1歩拾うだけのような手ですが、この▲4四飛をするための土台となる歩でもあります。

▲4五歩に対しては、次に▲2二角成があるので、それを受けて△3三銀や△3三桂などと指すことになります。


後手は桂得しましたが、歩切れです。

形勢はほぼ互角と言えそうです。


②▲4五桂に△4四銀

▲4五桂に△4四銀と逃げた場合も、
▲2四歩 △同歩 ▲同飛 △2三歩 ▲3四飛と進みます。


例えば後手が△6四歩のようなぬるい手を指すと、先手から▲2二歩という攻めがあります。

▲2二歩に△同金は▲3一角なので△3三桂と逃げますが、▲2一歩成と成っておきます。


△4五桂として桂を外すなら▲3一角がありますし、何もしなければ▲2二角と打ち込むような手で先手の攻めが続きます。


ということで戻って、▲3二飛の局面で後手の手を考えます。


△2八角と打つのは▲3七角と合わされ、△同角成 ▲同銀に△4七角と打つことはできます。

しかし△4七角から馬を作るくらいの手ではぬるいようで、▲2二歩からの攻めが飛んできます。


▲3四飛に対して△2五角と打って飛車を取りに行くてもあります。

△2五角には、
A. ▲3二飛成 △同金 ▲2六金と飛車を切って角を取りに行ってもいいですし、
B. ▲3五歩 と歩で支えておいても先手が指せます。


ということで、やはり▲4五桂と跳ねていく仕掛けは、一気に決まるとまでは行かなくても、十分有力のようでした。


桂跳ね急戦 その2

先手が急戦を見送って▲4七銀と上がったところです。


ここから△6五桂と跳ねる仕掛けが通用するか見ていきます。

①△6五桂に▲6六銀

銀を上に上がってきた場合は、△6四歩と下から歩で支えておいて後手十分です。


この位置で桂馬が安定すれば、後手としても不満はありません。


②△6五桂に▲6八銀

銀を下に引いてかわす手です。


のちに▲6六歩として、歩で桂馬を取り切ってしまおうという狙いがあります。

後手としては緩い手を指していると桂馬を取り切られてしまうので、ここで動いて行かなければなりません。

△8六歩 ▲同歩 △同飛 ▲8七歩 △7六飛と進みます。


先手は歩切れで、この金取りを受けなければなりません。

▲6九玉と寄って金にヒモを付けてくる受けなら、△4四角と香取りに打つ手が非常に受けにくいです。


▲7七桂と受ける手にも△4四角と足していって、7七地点に集中させます。


どうやら△6五桂と跳ねていく後手の仕掛けは成立しているようでした。


△6五歩▲同歩△同桂の仕掛け


先手が▲4八金と上がって▲2九飛と引く前の、この中途半端な瞬間に仕掛けていく手が成立しないか調べました。

△6五歩 ▲同歩 △同桂と仕掛けていきます。


ここも銀の逃げ方は▲6六銀と▲8八銀があります。

順に見ていきます。

①▲6六銀

銀を上に上がってくる手には、△8六歩 ▲同歩 △同飛 ▲8七歩 △7六飛と横歩を取りに行きます。


▲6五銀と桂を取り切ってくる手には△6六飛で銀を取り返す手があります。

そこで▲6七歩と銀を支えて、次に桂を取る手を見せます。

▲6七歩と受けられても、△5九角と打って後手の攻めは続きます。


▲同玉は△7八飛成が決まってしまうので、金にヒモを付けながら逃げる▲6九玉か▲7九玉しかありません。

以下は△6六飛と切ってしまいます。

▲同歩に△3九銀と絡んでいっても後手の駒得ですし、△4八角成 ▲同飛 △5七桂成でも後手が十分な形勢です。


②▲8八銀

▲8八銀と引かれる手に対しても、△8六歩 ▲同歩 △同飛と行きます。


ここで先手が▲6六歩と打って、桂を取りに行けるのが▲8八銀の強みです。

ちなみに、この▲6六歩を嫌って、▲8八銀の時に後手から△6六歩と打っておく手もありそうに見えます。

しかしこれには▲7三角~▲5五角成と馬を作られ、この歩も払われてしまうことになるので、上手く行きません。

ということで△8六歩から飛車先の歩を切って、先手が▲6六歩と打った局面で後手がどうするかです。

△4四角と打つ手が、桂取りの受けになってます。

上にも書いたのと同じで、桂を取ると▲8八角成があります。

そこで二枚換えの順を受けて▲8七歩と打ち、△7六飛と横歩を取ります。


ここで先手が桂馬を取ると、△8八角成 ▲同金のときに△6七歩という王手があります。

6筋の歩が切れていると生じる筋で、その進行は後手勝勢です。

というわけなので桂を取り切ることはできず、△7三角から馬を作るような展開になりますが、いずれにしても後手の攻めが続く形となります。


0 件のコメント:

コメントを投稿